合併症

アトピー性皮膚炎は、症状に伴い他の病気を併発する可能性が高い病気と言えます。
合併症にはアトピーの症状と似たような症状を引き起こす病気もあります。
合併症の症状を確認し、早期に適切な治療を受けられるようにしましょう。

接触皮膚炎

日常的に使用する物によりかぶれや湿疹等の症状が現れ、その原因は石鹸やシャンプーなどや洗剤、アクセサリーや金属類など多種多様で、人により症状が出る要因が違うので特定が困難です。

まれにアトピー性皮膚炎の外用薬であるステロイド軟膏により症状が出る人もいます。

症状としては、主にポツポツとした湿疹や皮膚が赤みを帯びる紅斑が多く、水ぶくれのような水泡ができる場合も有ります。

感染症

アトピー性皮膚炎により皮膚のバリア機能が弱まっていることと、炎症により生じた傷などから感染症を併発する可能性が高くなります。

伝染性膿痂疹(とびひ)

アトピー性皮膚炎により生じた湿疹部分を掻くことにより、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が掻いた手に付着し、その手で湿疹が生じていない肌を掻くことで、菌による感染で症状が広がります。

水泡ができた後に皮膚が破れ(びらん)、水泡内の内容液が別の正常な皮膚に付くことで症状が全身に広がる可能性もあります。

アトピー性皮膚炎による湿疹患部を清潔に保ち、また掻いた後の手も清潔にすることで、感染を防止することができます。

カポジ水痘様発疹症

ヘルペスウイルスへの感染により発症する感染症であり、主に顔や上半身、アトピー性皮膚炎の発症しやすい場所に湿疹、水泡、皮膚のやぶれ(びらん)などが発生し、患部がカサブタになるのが特徴です。

湿疹などの局所的な症状だけではなく、高熱などの全身に及ぶ症状も発生する可能性があります。

また、顔に症状が出ている場合は、角膜ヘルペスを引き起こす可能性もありますので、注意が必要です。

伝染性軟属腫(水いぼ)

肌のバリア機能が弱まっている場合に、ウィルス感染により発症する可能性があります。

症状としては、多少の痒みを伴う水泡ができ水泡が破れた際の内容液が、症状の出ていない肌に付くことで、広がる可能性があります。

掻きむしることで水泡が破れた場合、別の場所に症状が移る場合がありますので、肌を清潔に保つ必要があります。

眼病

アトピー性皮膚炎による炎症は顔にも及ぶ場合があります。
特に眼の近くにできた場合は深刻な眼病を併発する可能性がありますので注意が必要です。

白内障

眼の周りに症状が出ているために、強く眼をこすったり、掻くのを我慢して眼の周りを叩くことで発症すると言われております。

症状としては、視界に白くモヤがかかったようになります。
アトピー性白内障では、視界の中心部分から症状が現れることが多いようです。

顔に湿疹などの症状が長期間出来ている人の30%の人が白内障を併発しているとも言われております。

網膜裂孔・網膜剥離

ボクサーが発症する病気としても知られる網膜剥離ですが、白内障と同様に眼の周りの痒みを我慢するために長期間にわたって叩くことで発症する可能性があるのが網膜剥離です。

網膜に穴が開く症状を網膜裂孔といい、穴の開いた網膜が剥がれ網膜剥離へと進行する可能性があります。

網膜裂孔の症状としては、視界の中に存在しない黒い点や糸のようなゴミが飛んでいるように見る飛蚊症と呼ばれる症状が出る場合もありますが、あまり症状が出ない場合もあるようです。

網膜剥離の症状としては、視界の一部が黒く欠けて見えなくなる、強い光を見た時のように眼がチカチカとしてしまう、また急激な視力の低下などが考えられます。

早期発見による手術で治りますが、最悪の場合失明という危険性もありますので、白内障同様に長期間アトピー性皮膚炎の症状が眼の周りに出ている場合は、皮膚科と合わせて眼科での定期的な診療をお勧めします。

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